2009年09月14日

モンゴルで活躍のスイス医師

【スイス】モンゴルで活躍 スイスの医師


毎年スイスから、医師として長い経験を持つ約30人の外科医が
3週間モンゴルに赴き、無償の医療活動をしている。
スイス外科医チームが始めたこの活動は今年で10年を迎える。


病院では、患者がベンチや床に座って話し込んでいる。

飲み物や新聞が売られ、両替さえもできる場所だ。
病院前を車が横切り、そばでは子どもが這っている。
ここはウランバートルにある第1国立病院の診療所だが、
ヨーロッパ人の目には市場のようにさえ見える。


10年間の伝統

第1国立病院はその質がモンゴルのナンバーワンという意味ではない。

1925年に創立した国内初の国立病院という意味だ。
1990年代初頭、ソ連崩壊によりモンゴルの医療システムもその影響を
受けた。消費財や機材が不足し、モンゴルの医師の教育の可能性も
閉ざされた。

「節約しなければなりませんでした。
費用が高くつく部門は閉鎖されました」

と国立病院長代行のガンボルド・ルンデック氏は回想する。

このため、多くの患者に負担がのしかかったという。
このニュースにスイス人の外科医ピエール・チャンツ氏と夫人で
麻酔科の看護師のコリン氏が、集中治療病棟の再建に援助の手を
差し伸べるために動いた。

2人は1991年、休暇を取ってモンゴルの病院をいくつか訪問し、
そこに大きな改善の余地があることを確認した。1998年になり
他の外科医2人と「スイス外科医チーム ( SST ) 」を創立し、
翌年からモンゴルへ使節団を派遣するようになった。

医療調査員も派遣し、専門家の現場での育成も行った。

2002年にはジュネーブ大学と連邦外務省開発協力局 ( DEZA/DDC ) の
支援を得て、新しい集中治療病棟が開設されるに至った。


スイスの医師たちは毎年3週間、モンゴルへ援助活動に出かけるが、
この活動はいまや伝統となっている。公立病院で医師の育成を行い、
授業もする。また、患者を診察し、手術も施す。
スイス人医師が来ると、待っていましたとばかりに患者が
大勢集まってくる。


双方の尊敬

手術室には水が引かれず、包帯が足りないといったことは
日常茶飯事。特に物資が足りなく、衛生管理も不十分だ。

「モンゴル人の医師と仕事をすることで、私たちの活動も
豊かさを増します。簡素な設備からより多くのものを
得ようとする彼らは、知識に対してどん欲です」

と元ザンクトガレンの小児外科医でSSTの会長を務める
ベアト・ケーラー氏がモンゴル人医師を褒めると

「スイスの医師と手術をするので、直接現場で学べますし、
直接患者にもその知識を有効に使えます」

と地方病院の外科医シジル・ガンボルドさんがわざわざ口を
はさみに来て、すぐ手術室に消えて行った。いつもなら仕事を
中断することはないのだが、スイス人の同僚にお礼を言える
機会を逃したくなかったのだという。

国際連合 ( UN ) やスイスの開発協力局などで活動していた
ケーラー氏は、援助にせよ共同活動にせよ、一方的になることは
ないと考える。

「双方のギブアンドテイクです。モンゴルの医療で得るものが
わたしたちにもあります。例えば肝臓疾患ですが、
モンゴルの医療の方がスイスより非常に多くの経験があります」




遠距離診断で情報交換

情報交換やお互いの協力は今後、たった3週間に限らなくなるという。

インターネットを通して地方の医師とウランバートルの医師との間で
行われるようになるからだ。レントゲン画像の送信や診断の相談と
いった遠距離診断はバーゼル大学とSSTのアイディアだ。

「以前は、セカンドオピニオンを受けるために、ウランバートルから
1400キロメートル離れている患者に、最低3日もかかるような
悪路の旅を強いるようなことをしていたのです」 

と腫瘍学専門のツァガアン氏が説明する。

「遠距離診断ができれば、患者の負担もなくなり、コストも
削減できる」。スイス人医師との交流もインターネットを通じて
可能になるわけだ。

こうしたソフト面より、やはり地元の病院にとってはSSTが
スイスから送る資材や機材が一番だ。

「こうした機材が正しく使われるように指導することが重要」

とケーラー氏も強調する。




クリスタ・ヴュトリヒ、ウランバートルにて



用語説明用語説明

* 連邦外務省開発協力局 ( DEZA/DDC )
日本の政府開発援助 ( ODA ) に当たる、スイス外務省の
国際協力を担う部門。開発協力局はスイスの人道支援プログラムや
国際人道支援プログラムを直接行ったり、支援したりする。
特に東欧諸国と協力して、開発や人道支援を行っている。





2009/9/12  swissinfo.ch



posted by 医師の求人転職コンサルタント at 11:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 医師 ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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